LINEで利用できるチャットボット、ラインボットとはどういうサービス?

LINEボットに関する記事 コラム

LINEで活用するチャットボット

LINEで利用できるチャットボットが様々なビジネスで活用されています。LINEボット、LINEチャットボットなどの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

ここでは、チャットボットやLINEボットの導入を検討している企業向けに、LINEボットとはどのようなものなのか、LINEボットの仕組みや機能、導入するメリット・デメリット、そして活用方法などについて解説していきます。

LINEボットとは?

チャットボットは、チャットアプリ上で会話(CHAT)をするロボット(BOT)で、「自動会話プログラム」を指します。LINEボットは、LINE公式アカウントから自動応答するチャットボットです。

LINEボットを作るには、BOTサーバーを用意します。ユーザーがから送信されたメッセージは、LINEプラットフォームが受信し、アプリ同士をつなぐWebhookを経由してBOTサーバーに送信されます。

受け取った情報からユーザーに応答するためには、BOTサーバーとLINEプラットフォームの間でデータを送受信できるAPIを使ってLINEプラットフォームにデータを送り、その情報をプラットフォームがユーザーのアプリに送信するという仕組みになっています。

つまり、メッセージのやり取りをするためにはLINEプラットフォームとBOTサーバー、それぞれのデータのやり取りをつなぐ仕組みを構築していく必要があります。これらは自社独自で開発する方法と、チャットボットの開発会社に依頼する方法があります。

LINEボットでできること

LINEボットの役割は、基本的に「マーケティング」と「業務効率化」の目的で使われます。

マーケティングでは、企業と顧客をつなぐコミュニケーションツールとして活用されます。具体的には、ユーザーからのメッセージ自動返信、商品のPR、キャンペーンやクーポン配信、ポイントカードの利用、Webサイトへの誘導などの使い方ができます。

企業だけでなく、学校や自治体などでもチャットボットが活用されています。一般的な情報発信、イベントの予約自動化、災害発生時の緊急連絡、特定のテーマに対する問い合わせなどがあげられます。

これらのシステムを導入することで、スタッフによる電話やメールの対応を軽減することができ、また職場でも社内ヘルプデスクとして活用することで、業務を効率化することが可能になります。

イクシーズラボでもFacebookメッセンジャー、LINE、Teamsなどメッセンジャーアプリで利用できるチャットボットを提供しています

LINEボットの種類

・応答メッセージ

LINEボットには、設定できるチャットボットの種類がいくつかあります。

応答メッセージは、あらかじめ設定しておいた特定のキーワードに反応するシナリオ型と呼ばれるチャットボットを搭載しています。多様で複雑なレスポンスはできないものの、比較的設定しやすくすぐに活用できるのが特徴です。

例えば、カフェのLINEボットなら「季節のメニュー」と送るように誘導します。ユーザーがそれを入力すると、限定メニューやクーポン配信などを行うことができます。

・AI応答メッセージ

AI応答メッセージは、応答メッセージにAI型チャットボットが搭載されています。データを蓄積し、問い合わせに対してAIがデータから内容を判断して適切なメッセージを返答するもので、シナリオ型と比較すると対応できる内容の幅は広くなります。

前述のカフェを例に取ると、ユーザーの問い合わせに対しておすすめのメニュー表示や営業時間のお知らせ、来店予約などを行うこともできます。

・Messaging API

応答メッセージ、AI応答メッセージはLINE公式アカウントで提供されている機能ですが、Messaging APIはチャットボットベンダーが開発・提供している高機能なチャットボットを公式LINEアカウントに連携して使います。

様々なチャットボットサービスがあるため、ベンダーやサービスの機能、コストなどをよく検討した上で導入しましょう。

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LINEボットで利用できるメッセージとテンプレート

メッセージのバリエーションが豊富なのもLINEボットの特徴です。まずは基本的なテキストメッセージで、テキストに加え絵文字を加えることが可能です。

また、スタンプメッセージがあります。LINEスタンプはIDを設定するだけで簡単に活用することができます。ほかにも、画像メッセージ、音声メッセージ、位置情報メッセージ、イメージマップメッセージなど様々なタイプのメッセージが用意されています。

LINEが提供しているテンプレートメッセージには、ボタンや確認する機能がついたメッセージ、横にスクロールして項目を選択できる仕様のカルーセル、画像とカルーセルを組み合わせた画像カルーセル、そしてこれらのテンプレートを組み合わせて自由に配置できるFlex Messageがあります。

LINEボットの開発方法

LINEボットを作成するには、自社独自で開発するか、チャットボットの開発会社に依頼するかのどちらかになります。応答メッセージ、AI応答メッセージであれば、LINE公式アカウントの管理画面から作成することができます。

応答メッセージ・AI応答メッセージの開発

まずLINE for Businessにアクセスしてアカウントを作成し、管理画面を開きます。「設定」から「応答設定」を選択し、「応答モード」をチャットに設定します。

その後、直下にある「あいさつメッセージ」を設定します。これは、LINE公式アカウントに友だち追加があったとき、自動で送信されるメッセージになります。その後、キーワードの設定、それに対するテキストメッセージやテンプレートの設定などを行います。

AI応答メッセージに設定する場合は、「詳細設定」にある「応答方法」をスマートチャットに変更します。「AI応答メッセージ」では質問もカテゴリ化されており、指示に従って適切なテキストメッセージを作成し、機能をオンにすることで動作します。

Messaging APIの開発

もう1つ、LINE Messaging APIで開発する方法があります。LINE Messaging APIは、WebサーバーとLINEプラットフォーム間のデータの送受信を行うAPIです。LINEで標準搭載されている機能ではないため、サードパーティーのチャットボットをLINE公式アカウントに連携して使用します。

メッセージレイアウトの自由な設定や、Webアプリの実装など柔軟な利用ができるため、本格的なLINEボットの運用に向いています。

導入するには2つの方法があります。1つは自社開発で、LINE Developersへ登録し自力で行いますが、プログラミングや自然言語処理の実装など知識やスキルが必要になります。

もう1つは、チャットボットの開発・販売を行っている会社に依頼する方法です。コストは、シナリオ型のチャットボットで導入費用が10万円前後、運用コストは数万円、AI搭載型のチャットボットでは導入費用が数百万円、運用コストは数十万円くらいが目安となります。

チャットボットベンダーが持つ機能や設計、LINEに強い、広告に強いなど独自の特徴があり、コストも様々です。比較検討しながら自社に合うものを吟味しましょう。

LINEボット導入のメリット

チャットボットは、電話やメールなど時間や手間をかけることがなく、問い合わせのハードルを大きく下げる効果があります。その上で、LINEボットで効果を出すためにメリット・デメリットを把握しておきましょう。

まずいちばんのメリットとして、多くのアクティブユーザーにリーチできることです。

LINEのBusiness Guideによると、国内の月間利用者数は8,600万人、月間アクティブ率は85%で、日本人口の約68%が活用しています。年齢別にみても、20~50代の利用者は80%以上、60代でも52.8%となっています。

LINEを活用すれば、企業のサイトへの誘導やアプリのダウンロードを促す必要もなく、普段使っているLINEで商品やサービスの紹介ができます。

また、問い合わせの対応だけでなく、おしゃべり・雑談できる機能やゲームなどを活用することで親しみやすくなり、既存顧客はもちろんLPやECサイトなどではリーチできないユーザーにも訴求できるのが魅力です。

そして、問い合わせ対応の自動化により対応工数の減少が実現できるため、作業の効率化、経費削減、生産性の向上などにつながります。

LINEボット導入のデメリット

一方でチャットボットは、自由形式の複雑な質問や、接客が必要な相談の対応は難しいのが現状です。そのため、LINEボットでも対応できる内容には限界があります。

AI搭載型は学習することによって対応の範囲が広くなる可能性はありますが、きちんと設定できないと問い合わせに対して適切な回答ができない場合があります。

また、導入するための手間と時間、コストがかかります。特にAIを搭載しているものは、ベンダーに支払う導入コスト、運用コスト、修正などの手間も必要です。

さらに、LINEを活用して情報を発信するためには「友だち登録」をしてもらう必要があります。LINEユーザーすべてが登録するわけではく、広く認知してもらうためにも広告やTwitter、Instagramなどほかのチャネルでの訴求も必要になってきます。

LINEボットを有効活用するには

LINEボットは手軽に使えること、マーケティングや業務効率化を実現できる魅力がありますが、有効活用するためには導入の検討が大切です。 目的・目標は何か、どんな効果が期待できるか、費用は適切か、そして運用していくための環境など中長期的な視点で決めていきましょう。

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