銀行や保険会社、そして自治体のお問い合わせ窓口など、今やさまざまなWebサイトで目にするようになったチャットボット。少子高齢化に伴う働き手の減少により、今後もより多くのシーンで導入が進むと見られています。
今回はチャットボットを導入して上手く活用するために理解しておくべき、機能ごとの役割をご紹介していきましょう。
企業がチャットボットを導入するメリットは?
チャットボットツールといえば、Webサイトのお問い合わせ窓口として利用されているシーンを多く見かけるかもしれません。しかしチャットボットにはさまざまなタイプがあり、大きく2種に大別されるうえ、役割に応じてさらに4種に分類されます。
そのため、目的に合わせたものを選んで利用しなければ思うように成果は上がらず、導入メリットが生まれない可能性もあります。自社のニーズを満たす結果を求めるならば、まずは企業が持つ課題やチャットボットの導入で解決したいことを洗い出す必要があります。
こう見るとチャットボット導入までの道のりが遠く感じてしまうかもしれません。しかしチャットボットを制作・販売する企業に相談すればアドバイスや提案、導入サポートなども行ってくれるため、安心感は高いと言えます。
総務省が推進するAI・RPA
現在、総務省は「スマート自治体」への転換を目標に、自治体へAIおよびRPAの導入を進めています。AIはデータを分析して学ぶ人工知能のことを指し、RPAはロボティックプロセスオートメーション(人の代わりにパソコン上で作業を行ってくれる仕組み)のことを指しています。
これからの日本で懸念されることのひとつとして、少子高齢化による人口の減少と、働き手の不足があります。それを補いながらより良いサービスを提供していくための国レベルの施策として、スマート自治体を導入し、業務効率化を目指しています。
さらにチャットボットを導入している自治体も増えてきており、プログラムによって人と対話ができるチャットボットを、自動で作業を行えるRPAと組み合わせることで、より効率的な業務が可能になります。導入によって実際に効果を上げているところも多く見られ、今後はさらにこの流れが加速して行くでしょう。
総務省の資料に上げられている、AIおよびRPA導入の大きなメリットは以下の4つです。
・24時間365日対応可能で、住民の満足度向上
・翻訳システムも導入すれば、日本語でのやりとりが難しい住民にも案内がしやすい
・定型の事務作業が減ることによるミスの削減、別のサービスに注力できる
・情報をAIに蓄積することで、職員の経験年数を問わず誰でも対応可能になる
これらは一般企業にも当てはまると考えられます。企業がチャットボットと併せて活用する場合はさらに、リアルタイムなコミュニケーションでスピーディーなCVに繋げやすいこと、ブランディングに活用できることなども大きなメリットになるでしょう。
ただし、効率化および改善したい内容と、導入するチャットボットの機能がマッチしていなければ効果的な運用は見込めません。今回はチャットボットの機能とおおまかな役割をご紹介するので、自社の課題に照らし合わせながら確認してみましょう。
チャットボットの役割に応じた4種類の機能
現在のチャットボットには、AIを使ったものとAIを使わないシナリオ型(ルールベース型)の2種類があります。
AIを使わないものはユーザーが入力する内容に対して、登録されたデータを利用して適切な回答を行います。反対にAIを使ったものは、ある程度データに沿った内容であれば今までの情報を分析・学習し、適切な回答を返します。
AIを使ったものは複雑な質問にも答えられるというメリットがありますが、導入コストやランニングコストが多くかかりがちです。現在はAI型とシナリオ型を組み合わせたハイブリット型も登場しており、よりユーザーライクなチャットボットも多くなってきています。
さらには役割に応じた4種類の機能に分類されます。今回はこの“機能”について少し詳しくご説明していきましょう。
1.雑談型
雑談型のチャットボットは、問題を解決するのではなく“雑談”を目的としたものです。ユーザーとの会話のやりとりがメインになるため、AIを使って会話が滑らかに行われるよう工夫されているものが一般的です。
雑談型チャットボットのメリットは、いつでも気軽に話しかけて雑談できることです。これにより運用するブランドに親近感が湧いたり、商品やサービスの購入・利用に繋がったりすることが考えられます。
有名なものとしては、日本Microsoft株式会社が開発した女子高生AI「りんな」が代表的です。雑談やしりとり、クイズなどの楽しいやりとりを通じて、学びが得られたりすることも大きなメリットでしょう。
2.FAQ型
現在、多くの企業や自治体で利用されているチャットボットがFAQ型であると言えるでしょう。FAQ型チャットボットは、ユーザーの質問や選んだ選択肢に応じて、データベースに登録された回答の中から適切なものを選んで返します。
FAQ型チャットボットを導入するメリットは、定型的な業務になりやすい簡単な問い合わせ対応を自動化し、人的労力やコストを削減しつつ生産性を高められることなどがあります。
また、ユーザーにとっても電話やメールで問い合わせをするまでもない疑問や質問を、リアルタイムですぐに解決できるメリットがあります。
活用方法としては一般的な顧客対応・問い合わせ対応の他に、社内ヘルプデスクなどがあります。主に疑問・質問解決を行うのがFAQ型チャットボットだと言えるでしょう。
3.処理代行型
処理代行型の機能を持つチャットボットは、ユーザーとのやりとりや入力した内容を基に、システム処理を自動で行います。
人が行う場合にミスが起こりやすいものや、業務が煩雑になりやすいものをチャットボットが自動で行うため、ダブルブッキングや時間および数量の入力ミスなどを防ぐことができます。
こちらは主に旅行プランやレストラン、会議室の予約などといった“ひとつの場所をさまざまな人が使う”シーンで活用され、大きな力を発揮しています。
メリットはやはりユーザーの入力の手間やミスが減ること、そして企業側で行うシステム処理業務の労力軽減およびコスト削減などが挙げられます。
4.配信型
配信型チャットボットは、ユーザーと会話を行うのではなく、チャットを利用して設定した時間に自動で情報を配信するプログラムです。
こういった情報配信は、以前はメールなどが主流でした。しかしSNSやチャットの利用が多くなってきたことで、メールよりもチャットで情報配信を行った方が見てもらいやすいというメリットがあります。
情報発信型チャットボットで情報を送ることにより、気になっていた商品やサービスのことを思い出してもらえたり、期限を知らせるアラート機能として活用したりできます。また、ユーザーに合わせた商品やサービスの提案を行うことも可能です。
人が直接営業活動をしなくても、プログラムを使ってユーザーの購入意欲を刺激することができるため、企業側にとっての人的コスト削減効果は大きいと言えるでしょう。
また、ユーザー側としても利用しやすいチャットで情報提供を行ってくれるため、大切な内容を見逃しにくいというメリットがあります。
ただし、こちらは配信する情報の内容や時間帯などを工夫する必要があるため、効果的に活用する場合はマーケティングの知識が必要です。配信型チャットボットを利用する際は、導入する目的や課題を、提供する企業や担当者としっかり擦り合わせることが大切です。
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チャットボットの役割を把握して業務効率化に役立てよう
ここまでご紹介したように、チャットボットは問い合わせ対応だけでなく、その機能によってさまざまな役割を果たすことができます。
企業が成長していくための課題をしっかりと把握して、なおかつチャットボットがどのような役割を担えるか知っておけば、チャットボット導入までのハードルは低くなると言えるでしょう。
ただしチャットボット導入後は、定期的なメンテナンスを行って情報更新およびデータの追加などを行う必要があります。種類によってはランニングコストが多くかかる場合もあるため、とにかく最先端のAIチャットボットを導入すれば良いという訳ではないことを、しっかり理解しておく必要があるでしょう。 今後もチャットボットを導入する企業やサービスは増えると見られており、チャットボットはさらに進化して行くと見られています。企業とユーザー、共にメリットが生まれるチャットボットで、企業のさらなる成長を目指しましょう。
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