デジタルヒューマン×チャットボットで新たな顧客体験を生み出す

コラム

CG技術の進化で人間にそっくりな存在の作成が可能に

CG技術の進化によって、見た目が人間にとても似ている存在をコンピュータ上に作成できるようになりました。その存在は「デジタルヒューマン」と呼ばれます。

デジタルヒューマンの中にはモデルやインフルエンサーとしてSNS上などで活動しているケースもあるほか、販売員や企業の広告塔としての利用も見込まれています。

さらに、チャットボットにデジタルヒューマンを取り入れることで、これまでになかったサービスの提供も可能になることでしょう。

デジタルヒューマンについて掘り下げたうえで、チャットボットとデジタルヒューマンの可能性についてもみていきます。

デジタルヒューマンとは

デジタルヒューマンとは、3次元のコンピュータグラフィクス(3DCG)によって作られるキャラクターで、本物の人間と非常に似ているような状態に仕上がることが特徴です。

例えば、ある人をモデルとしてデジタルヒューマンを作ってみると、その仕上がりはモデルにした人とうり二つの状態となります。

※モデルとなった人とデジタルヒューマンを並べてみると、どちらが人間なのかを見分けることは非常に難しくなってしまいます。それほど、デジタルヒューマンは精巧に仕上がります。

これは人物のデジタルツインと言われています。デジタルツインとは、現実の世界に存在しているものをコンピュータ上で正確に再現する技術のことです。

現在では、こうしたデジタルツインをキャスティングするサービスも生まれています。

このサービスを活用すれば、スポーツ選手がシーズンオフの時期にデジタルツインを制作しておき、多忙なシーズン中はデジタルツインをキャスティングしてCM制作ができます。

さらに、ベテラン俳優の若い頃の姿をデジタルツインとして制作すれば、現在の俳優自身とと若い頃の自身との共演も可能となります。

デジタルツインを制作するポイントは、その人の仕草などのモーションデータや、声の音声データを組み込むことです。これにより、本人の分身ともいえるデジタルツインができあがります。

また、デジタルヒューマンは、アバターと同じような使い方もできます。アバターとは自分自身の分身となるキャラクターのことで、ゲームやインターネット上など、仮想的な世界に登場します。

一般的なアバターは本人とは全く異なる姿をしているのに対し、デジタルヒューマンの場合は本人とは見分けがつかないほどそっくりな状態となります。

そのため、仮想的な空間におけるオンライン会議を開催する場合など、本人の姿の方が場の雰囲気にぴったりと合う場合には、アバターとしてデジタルヒューマンが用いられるケースも考えられます。

UNREAL ENGINEのMeta Human Creator

世界で最もオープンで高度なリアルタイム3D制作ツールを提供する「UNREAL ENGINE」では、デジタルヒューマンを制作するツールである「Meta Human Creator」を利用できます。

Meta Human Creatorの特徴的な点は、短時間でリアリティの高いデジタルヒューマンを作成できることです。

Meta Human Creatorを起動すると複数のデジタルヒューマンの顔が表示され、その中から好みのデジタルヒューマンを選びます。目の色や皮膚の色、髪の毛やまゆ毛の種類などを選べるほか、目、鼻、耳、口などの形を好きな形に変えられます。

さらに「ブレンド」の機能を使うと、顔のパーツの一部は他のキャラクターのものを利用できるため、よりオリジナルなデジタルヒューマンができあがります。

Meta Human Creatorを利用すると、アバターとなるキャラクターを作るときと同じような感覚でデジタルヒューマンを作成できます。

このように、デジタルヒューマンは、専用の機材やハイスペックな端末がなくても作成できるようになりつつあります。

活躍している代表的なデジタルヒューマン

現在では、インターネット上でさまざまなデジタルヒューマンが活動しています。ここでは主なデジタルヒューマンを紹介します。

imma

immaは日本初のバーチャルモデルです。スリムな体型で髪の色はピンク、髪型はボブスタイル、外見はモデルのような雰囲気となっています。

immaがTwitterやInstagramを利用し始めたのは2018年のことで、現在ではさまざまなSNSで活動中です。これまでにスキンケアブランドのスペシャル映像に出演したり、ファッション雑誌の表紙を飾ったりと、活躍の場は多岐にわたります。

バーチャルモデルの認知度が低かった時代から活動を始めたimmaですが、メタバースやデジタルヒューマンという概念が認知されるようになった現在では、活動の場がさらに広がりました。

葵プリズム

葵プリズムは世界初のバーチャルギャルで、Instagramで日頃の活動を発信しています。好きなブランドはDOLLS KILLやCYBERDOGなど海外発のブランドで、好きなお店は原宿にあるヴィンテージなアパレルショップのオパール(OHPEARL)です。

葵プリズムが大切にしている価値観は「盛りを貫くこと」です。第一線のバーチャルギャルとして多くの人たちを惹きつけるためにも「盛る」行為はまさに必須といえます。

一般的なギャルの特徴として「自分の感性を信じて自分らしく生きる」ということがあります。

バーチャルな存在のギャルである葵プリズムが言いたいことを発信していると、それに共感する人たちも増えていくことでしょう。自分らしく生きたいけれどそれがなかなかできない人にとって、葵プリズムは心強い存在といえそうです。

活用事例

アドバイザー・コーチ

デジタルヒューマンはアドバイザーやコーチとしての役割を果たすことができます。一例として、心臓病患者に対するアドバイザーがあげられます。
UneeQ, inc. (本社:アメリカテキサス州オースティン) によるコンセプト動画(https://www.youtube.com/watch?v=Q3tU5dSoNWQ&t=70s

デジタルヒューマンからアドバイスを受けられるメリットは、時間を問わずにいつでもアドバイスを受けられることです。

特に、身体の具合が良くない場合は一刻も早く医師のアドバイスを受ける必要があります。

デジタルヒューマンによるアドバイスなら、深夜や早朝の時間帯であっても、パソコンやスマホを使えばいつでも受けられます。

心臓病のように緊急でアドバイスが必要なときこそ、デジタルヒューマンを活用したアドバイスのサービスが高い効果を発揮します。

販売員

デジタルヒューマンによる接客は海外でいち早く導入されています。

UneeQ, inc. (本社:アメリカテキサス州オースティン) の事例ですが、ニュージーランドの家電量販店「ノエル・リーミング」ではデジタルヒューマンの「ノラ」(https://www.youtube.com/watch?v=Gs5RWQVkehk)が、イギリスに本社を置く携帯電話会社の「ボーダフォン」では、店頭でデジタルヒューマンが流ちょうに会話をしながら接客を行います。(https://www.youtube.com/watch?v=jAJP0qlVlw0

デジタルヒューマンは顧客との接客で交わした会話から学習できるため、接客を繰り返すことによって顧客のニーズに応じた質の高い接客を行えます。

メタバースのようなデジタル空間の利用が日常的になりつつある現在は、デジタルヒューマンとの会話に抵抗を感じない人々が増えつつあります。

今後は、日本でも店舗においてデジタルヒューマンが導入され、店頭でデジタルヒューマンによる接客を受けられることでしょう。

広告塔

また、広告塔にデジタルヒューマンを活用する方法もあります。

例えば、企業が動画サイトやSNSを利用して動画を投稿している場合、自社で制作した動画にデジタルヒューマンを出演させて商品の紹介を行ったとしましょう。

動画の視聴者としてはデジタルヒューマンが出演しているために注目しやすくなるほか、企業としては動画の出演者にデジタルヒューマンを選ぶだけで良いため、動画出演者の人選を行う必要がないなど、さまざまな手間が省けるメリットがあります。

今後は、広告塔としてデジタルヒューマンが多く活用されることも見込まれます。

案内役

そのほか、さまざまな施設の案内役にデジタルヒューマンを活用することもできます。

例えば、駅の利用者に対して駅の構内や設備について説明したり、大型商業施設を利用する顧客に対して施設内にどんな店舗があるかを説明したりする役割をデジタルヒューマンに任せることも可能です。

これらの役割は、現在では人間の担当者が行っているケースがほとんどです。しかし、見た目が人間とほとんど同じであるデジタルヒューマンが担当することによって、顧客としては人間に話しかけるような状態になるため、気軽に問いかけられることでしょう。

アイドル・タレント・モデル

アイドルやタレント、モデルがデジタルヒューマンであるなら、まるで実在する人物のように感じられ、注目度が高まることでしょう。

デジタルヒューマンの事例として、「imma」や「葵プリズム」について先述しましたが、いずれのキャラクターもSNSを通じて見ていると、まるで実在している人物がSNSに投稿しているかのように感じられます。

アイドルやタレント、モデルのデジタルヒューマンは、インフルエンサーとしての役割も見込めるため、デジタルヒューマンの行動や言動から新たなトレンドが生み出されることも期待できます。

デジタルヒューマンのアイドルやタレント、モデルは、これからの時代に活躍の場を広げそうです。

AIチャットボットとデジタルヒューマンの融合効果

チャットボットのサービスを展開するにあたり、AI技術とデジタルヒューマンの技術を組み合わせれば、画期的なチャットボットサービスの提供が可能となります。

特に重要視される点は、チャットボットが表情豊かに、そして声のトーンを変化させながらコミュニケーションをとれる点です。

ここで参考にしたい法則として「メラビアンの法則」があります。

メラビアンの法則とは、人と人がコミュニケーションをとるとき、相手が伝えたいことをどのように感じとるかを3つの要素に分け、それぞれの要素を割合で示したものです。

コミュニケーションで相手が伝えたいことを感じとる要素は、顔の表情、声のトーン、言葉や文字の3種類があり、それぞれの要素がどの程度印象に残るかを割合で示したところ、下記の数値となりました。

・顔の表情:55%

・声のトーン:38%

・言葉や文字:7%

つまり、コミュニケーションにおいては、相手が伝えたいことを主に顔の表情や声のトーンで感じ取り、理解することがわかります。

特に、オンラインショップでの接客をデジタルヒューマンに任せれば、言葉や文字のみで応対するチャットボットよりも、コミュニケーション能力が高いデジタルヒューマンの方が顧客満足度が高まるため、購買率の向上が期待できます。

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まとめ

デジタルヒューマンとは、3DCGによって作られたキャラクターで人間に非常に似ている点が特徴です。現在では、個性的なデジタルヒューマンがSNS上などで活動しています。

画期的な存在といえるデジタルヒューマンをチャットボットに活用することで、これまでになかったチャットボットのサービスを開発できそうです。

デジタルヒューマンというリアルな雰囲気の担当者がチャットボットの問い合わせに応じれば、顧客の満足度アップが期待できます。 メタバースやデジタルヒューマンの利用が広がるこれからの時代は、チャットボットがさらなる進化をとげそうです。

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