いよいよ知識データの構築へ
AIチャットボットのキャラクターとUIができあがったら、知識データの構築に入りました。
全体の流れとしては、下記のような感じです。
2.商品名や専門用語の洗い出し
3.CAIWA ROBOT MANAGERでインポート
4.回答時アクション設定
5.テスト
6.サービスイン
1.Q&Aの洗い出し
知識データの構築というのは、メイン作業としては質問と回答を用意する作業です。まずはエクセルなどでQ&Aをリストアップして質問文と回答文をなるべく簡潔な文章になるように整理していきます。
既にFAQのデータがある場合は、そのデータをインポートすることもできます。
FAQデータがない場合は一からQ&Aを洗い出さなければなりません。どんな質問を用意すればいいのか検討もつかないと言われる方もいるでしょうが、そんなに難しく考える必要はありません。というわけで少しコツをご紹介します。
例えば、次のようなものから質問を洗い出していきました。
ホームページの見出しから想定されるQの洗い出し
ホームページ上の見出しから質問を考えます。
例えば弊社のホームページの見出しに
「コンピューターと会話を実現するAI会話エンジン「CAIWA」」
というのがあります。
ちょっと長いので「コンピューターと会話を実現する」と「AI会話エンジン「CAIWA」」の2つに分けてもいいと思います。
そうすると「なぜコンピュータと会話できるの?」とか「AI会話エンジンについて詳細が知りたい」とか「CAIWAって何?」という質問が浮かびませんか?
このように見出しからQを想定し、その見出しの説明文章から回答を抜き出します。
その他のQ&A洗い出し手法
「よくある問い合わせ」などのサポートページから抜粋
どこのサポートページにも「よくある問い合わせ」が記載されていますよね?
いわゆるFAQです。そこから抜粋してQ&Aをそのまま利用してしまうというわけです。
ホームページアクセスログからキーワードの抽出
ホームページへのアクセス解析を行っているのであれば、アクセス解析ログなどから検索キーワードを抽出して、そのキーワードをもとに質問と回答を考えるというのも一つの手です。
2.商品名や専門用語の洗い出し
商品の名前などは、ユーザー辞書に登録していきました。
辞書登録をすることで質問文を複数作成する必要がありません。
例えば弊社の製品「Viii(ヴィー)」についてユーザーが入力する場合、必ずしも「Viii」と入力してくれるとは限りません。
そこで「Viii」を代表語とし同義の単語、例えば「ビー」や「ヴィー」「biii」などを辞書登録していくことで余計な質問文がなくなりました。
自社のサービス名や商品名、特定の業種の専門用語などはユーザー辞書に登録すると知識データの作成がやりやすくなるのと回答精度が向上します。
注意点としては一般的な用語や、動詞・形容詞などの体言は、登録しないようにしてください。
CAIWAには、デフォルトの辞書が備わっているので、一般的な用語はそちらに任せる方がいいです。
3.CAIWA ROBOT MANAGERでインポート
Q&Aの洗い出し及び整理が完了したら、そのデータをCAIWA ROBOT MANAGER上でインポートします。なお、テキストデータでのインポートが推奨されています。
インポートをするとあっという間にQ&AのリストがCAIWA ROBOT MANAGERの知識データ作成画面のQA一覧画面に登録されます。UIジェネレーターで作成したチャットボットの画面をローカル上で立ち上げて入力ボックスに質問を入力すると回答が返ってきました。
Q&Aの洗い出しと整理さえしてしまえば、登録は拍子抜けするぐらい簡単にできてしまいました。
ここまででもある程度の質問には答えてくれるのでサービスインしようと思えばできそうだなと感じました。
もちろん、回答する際にページを開いたり、絞込みを行ったりといったことをやろうとすると、もう少し設定を追加する必要があります。また回答精度をもう少し上げたいということであればチューニングの作業も必要です。それらついては、次ページ以降で紹介します。
挨拶系の質問では、辞書登録する文章も書き出しておくといいと思います。
例えば「こんにちはー」の言い回しっていくつもありますよね?
ある程度CAIWAエンジンで変換できますが、キャラの個性を出すような言葉や流行りの言葉などは辞書登録するといいと思いますよ。
「こんチャ」とか「こんCha!」とかですね。
5.ホームページアクセスログからキーワードの検出
私の場合、ホームページを開設したばかりで行うことができませんでしたが、ホームページへのアクセス解析を行っているのであれば、アクセス解析ログなどから検索キーワードを抽出するのも1つの手だと上司に教わりました。
※「テストツール」を使って質問文にマッチして回答を表示できるか確認することが可能です。
次は、テストとメンテナンスです。チャットボットの構築運用において欠かせない大切な作業です。
回答時アクション設定|チャットボット作成実体験レビュー