予約・注文・商品検索に利用されるスロットフィリングとは
スロットフィリングとはチャットボットの仕組みの一つで、主に予約や注文を受け付けるときに利用されます。
チャットボットにおける「スロットフィリング」を理解するためには「スロット」と「フィリング」それぞれの意味について知っておく必要があります。
スロットとは、チャットボットでの会話を成り立たせるために必要な情報を細かい単位に分けたものです。また、フィリングとは、もともとは「埋める」という意味がありますが、ここでは、チャットボットとの会話を成り立たせるために必要な情報がそろった状態を指します。
スロットフィリングが成立することによって、チャットボットは必要な情報を処理し、予約や注文、情報の絞り込みなど、最終的なアクションを起こすことができます。
スロットとフィリングについてくわしく理解するためのユースケースとして、チャットボットで飲食店の予約をする場合についてみてみます。
飲食店を予約する場合には「日時」「人数」「コース」「予約者の氏名と電話番号」を伝える必要があります。つまり、飲食店を予約する場合は、上記の4つの項目を伝える必要がありますが、これら1つ1つの項目が「スロット」にあたります。
上記の例では、「日時」がスロットとなるほか、「人数」「コース」「予約者の氏名と電話番号」のいずれもスロットとなります。
フィリングとは、上記で説明した「スロット」の内容が明確になった状態を指します。例えば、飲食店で導入したチャットボットに対して、以下のように伝えたとしましょう。なお、ここでは、予約者の氏名と電話番号は省略します。
・予約したい日時:12月1日 午後6時半~午後9時半
・予約人数:10人
・予約したいコース:3時間飲み放題4000円コース
上記では、日時、人数、コースのそれぞれが決まった形となりましたが、この状態が「フィリング」となります。
スロットとフィリングの全てが明確になることによって、チャットボットは、予約や注文など、最終的なアクションを起こすことができるようになります。
スロットフィリングは、最終的なアクションまでをスムーズにサポート
下記にチャットボットとの会話例を示します。会話が進むにつれてスロットフィリングの条件を満たし、予約が完了します。
利用者:
忘年会の予約をしたいのですが。
チャットボット(以下、チャット):
ありがとうございます。予約したい日時はいつでしょうか?
利用者:
12月1日の午後6時半から9時半までです。
チャット:
その日時でご予約をお受けいたします。人数は何名様でしょうか?
利用者:
10人です。
チャット:
ありがとうございます。予約したいコースをお知らせ下さい。
利用者:
3時間の飲み放題で4000円コースをお願いします。
チャット:
ありがとうございます。それでは、12月1日の午後6時半から9時半まで、予約人数10人、3時間飲み放題4000円コースで承りました。ご来店をお待ちいたしております。
利用者:
よろしくお願いいたします。
スロットフィリングを利用すると、ユーザーと企業側の双方にとってメリットが
スロットフィリングを利用することで、サービスを利用するユーザー、サービスを提供する企業側の双方がメリットを受けられます。
ユーザー側のメリットは、店舗の営業時間外であっても予約や注文ができる点です。チャットボットからの質問に答えていくだけで、ユーザー自身にとって最適な内容の予約や注文を簡単に行えます。
店舗側のメリットは、予約や注文を受ける業務の負荷を減らせることです。さらに、確認事項の漏れがなくなるため、店舗側はユーザーから受けた予約や注文の内容を間違えることなく提供できます。
株式会社イクシーズラボではスロットフィリングの仕組みを利用した「CoReDA」というAIチャット型検索システムを提供しています。
チャットボットの質問に答えることで、情報を絞り込むことができる「スロットフィル(情報絞込み)」、特定の対象に絞り次々と質問をすることで理解を深める「ターゲットディグ(情報深掘り)」、入力の手間を省く「サジェスト(⼊⼒補助)」といった、高度な情報検索機能を搭載。検索に慣れていない人でも、目的の情報に到達できます。
スロットフィリングを利用したチャットボットの活用方法
チャットボットでスロットフィリングが活用される方法としては「予約」「検索」「注文」があります。それぞれのシーンの活用例について説明します。
「予約」に活用すれば、効果的な人員配置が可能に
チャットボットを活用することによって、人手に頼ることなく予約の受付が可能となります。活用シーンとしては、飲食店、ホテル、美容院などのほか、病院の予約にも利用されます。
予約の受付を人手で行う場合、電話応対そのものはさほど時間がかかるものではありませんが、1日のうちに多くの予約の受付を行っていれば、それだけ多くの時間を割く形となってしまい、本来行うべき業務に時間をかけられなくなってしまいます。
チャットボットを活用すると、予約を受付する業務の負荷を軽減でき、業務の効率化が期待できます。また、営業時間外の予約受付も可能となるため、機会の損失の削減にもつながります。
「検索」に活用すれば、目的のものを見つけやすい
さらに、データベースを活用すれば、スロットフィリングを活用して「検索」も簡単に行えます。
例えば、地方に住んでいる人が東京の賃貸物件を検索したいとしましょう。特に東京は物件数が非常に多いため、ユーザー自身が賃貸物件のサイトを利用して探そうとしても、条件に合った物件を見つけるのは難しく感じられます。
その点、スロットフィリングを利用したチャットボットなら、チャットボットの質問に答えていくだけでユーザーの条件に合った物件を見つけやすくなります。
「注文」に活用すれば、欲しい商品を確実に入手できる
スロットフィリングを利用してデータベースを活用する例としては、検索のほかに商品の「注文」もあげられます。特にスロットフィリングがその効果を発揮するのは、ニッチな商品を取り扱うECサイトで商品を探したいときです。
ニッチな商品とは、商品を買い求める顧客層がごく一部に限定される商品のことです。ニッチな商品を扱うECサイトは、ニッチな商品を買い求めるユーザーの需要に応えるため、多くの商品をそろえています。
しかし、ユーザーとしてはECサイトに掲載されている商品数が多すぎるため、欲しい商品を見つけることが大変に感じてしまいます。
そのような場合にスロットフィリングを利用すれば、チャットボットの質問に答えるだけで必要な商品をスムーズに見つけられます。
しかも、スロットフィリングを利用すればニッチな商品を注文する場合に起きやすくなる誤発注を減らせます。
ECサイトで欲しい商品を確実に注文したい場合にも、スロットフィリングが活用できます。
▼チャットボットで活用されている「自然言語処理」についての記事もチェック!
チャットボットを活用するためのポイント
チャットボットの精度を高めるためには「事前準備」を行う必要があるほか、「エディター」の活用、「複数の条件に対応すること」も求められます。
チャットボットを活用するためのポイントについて説明します。
「事前準備」で導入目的・導入シーンを決める
チャットボットを使用する場合に行っておくべきことは「事前準備」です。
事前準備の内容としては「チャットボットを導入する目的を決める」「チャットボットを使用するシーンを決める」という点があります。
例えば、ある飲食店においては「店舗運営の効率を高める」という目的を持ち、その目的を実現する手段として「予約の受付でチャットボットを活用する」ということを決めたとしましょう。
このように、チャットボットを使用する目的が明確であり、なおかつ、チャットボットの具体的な使用シーンが決まっていれば、チャットボットの有効活用が可能となります。
予約の受付業務をチャットボットが担えば、そのために人員を配置する必要がなくなります。店内での接客を手厚くすることも可能となり、顧客からの評価が高まることが期待されます。
チャットボットの使用目的や使用シーンを事前に決めておくと、チャットボットの導入による生産性の向上や売上のアップが見込めます。
エディターを活用し、チャットボットの作成を効率化
チャットボットを作成する場合は「エディター」というツールの利用が適しています。
チャットボットのエディターを利用すると、チャットボットのテンプレートが用意されており、そのテンプレートに基づいてチャットボットのシナリオを作ることができます。
例えば、飲食店での予約受付でチャットボットを利用する場合は「日時はいつでしょうか?」「人数は何名様でしょうか?」「コースを教えて下さい」という質問を入れておき、それに対する答えを想定しておきます。
「日時はいつですか?」という質問に対し、顧客が「12月1日、午後6時半からお願いします」と答えれば、引き続き「人数は何名様でしょうか?」という質問が続きます。
もし「日時はいつですか」という問いに対して、顧客が「12月1日です」と日付しか答えなかった場合には「何時からにしますか?」という質問を追加します。
エディターを活用すれば、質問の内容や質問に対する答えをベースにしながらチャットボットを作成できます。それにともなって、チャットボットとの会話の精度をより高めることが可能となります。
複数の条件に対応し、会話の流れをスムーズに
また、チャットボットを作成する場合には、複数の条件に対応できるように準備しておくと、チャットボットの会話がより自然なものとなります。
例えば、飲食店での予約受付をチャットボットで行う場合に「コースを教えて下さい」という質問を入れるとします。
その場合の答えの想定としては、顧客がコースの内容を理解しているケースと、顧客がコースの内容を知らないケースが考えられます。
顧客がコース名を知っていて、「3時間飲み放題4000円コース」伝えればチャットボットとの会話は成り立ちますが、顧客がコース名を伝えなければ、チャットボットとの会話は成り立ちません。
顧客がコース名を伝えない理由としては「おすすめのコースが良くわからない」あるいは「コースを指定せず、席のみ予約したい」ということが考えられます。
そこで、顧客が「おすすめのコースはありますか」と質問したら「おすすめのコースは『特選お刺身盛り合わせコース』です」と回答するように設定し、顧客が「席のみ予約したいです」と伝えたら「承知しました。お席のみのご予約とさせていただきます」と回答するように設定します。
チャットボットを設定する場合は、複数の条件に応じた回答を用意しておくことも必要です。
DB検索AIチャットボット「CAIWA Service CoReDA」は表形式データからシナリオを自動生成
イクシーズラボが提供しているCAIWA Service CoReDAは、表形式のデータを取り込むことでユーザーが求めるものを絞り込むためのシナリオを自動生成します。
絞り込むために必要となる情報を埋めていくためのヒヤリングも自動生成されるため複雑な条件設定などは必要ありません。これによりシナリオ構築の手間が削減できます。
まとめ
スロットフィリングは、ユーザーに最終的なアクションをうながす仕組みといえます。
例えば、ユーザーから予約や注文を受け付ける場合、ユーザーの疑問点はチャットボットが解決します。それにより、ユーザーは予約や注文を気軽に行えます。 チャットボットにはさまざまなタイプのものがあり、利用されている技術や仕組みが違っています。チャットボットの技術や仕組みの内容を見極めたうえで、適材適所にそれらを選択することが重要となります。
費用対効果が高いイクシーズラボの高性能AIチャットボット
AIチャットボットCAIWA Service Viii
Viiiは、導入実績が豊富で高性能なAIチャットボットです。学習済み言語モデル搭載で、ゼロからの学習が必要ないため、短期間で導入できます。導入会社様からは回答精度が高くメンテナンスがしやすいと高い評価をいただいています。
イクシーズラボが提供する次世代のAIチャット型検索システム
AIチャット検索CAIWA Service CoReDA
CoReDAは、AIを活用した高度な検索機能により容易に目的の情報を得ることができるチャット型の情報検索システムです。データを取り込み基本設定をするだけで、絞り込み検索シナリオやQ&Aを手間なく作成できるのが特徴です。